所信表明

公開日 2022年10月04日

更新日 2022年10月06日

令和4年第3回定例議会で山本市長が所信を表明しました

1.はじめに

 本日、令和4年第3回交野市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、ご出席くださり厚く御礼申し上げます。

 議長のお許しを頂戴いたしましたので、議会定例会開会にあたり、まずは、今後4年間の市政運営についての所信を謹んで表明いたします。

 今般、私は、とりわけ、ゆうゆうバスの廃止は困ると声を上げ約1万筆にも上る署名を集めたものの、ゆうゆうバスの廃止が強行され、不安や不便さを感じている市民の皆様、そしてプールが敷地内にない運動場がせまい等施設一体型小中一貫校の建設に疑問を持ちその建設の是非を問う住民投票条例の制定に賛同し、署名・捺印したにもかかわらず、住民投票を実施してもらえず無念の思いを抱いた市民の皆様の強いご支援を頂戴し、令和4年9月18日からの4年間、交野市の市政の舵取を担うこととなりました。

 そして、それら市民の皆様の願いが通じた結果であることを決して忘れることなく、片時も忘れることなく、己を律し、謙虚に市政運営にあたることを冒頭に約束いたします。

 

2.重点的に取り組む施策について

 私は、「みんなでつくるみんなの交野」と強く訴えて参りました。ゆうゆうバスの廃止、施設一体型小中一貫校の建設、についても市民の皆様の声を聞く市政に変えるというものです。説明会、パブリックコメント、場合によっては、住民投票の実施等により、丁寧に市民の皆様の声を聞く市政を実現いたします。

 住民投票については、自治基本条例を制定することで、住民投票の位置づけについて、明確化を図ります。そして、私を含む時の権力者の暴走を防ぐ機能を持たせ、時の権力者の暴走により、過去にも実際にございましたが、市民が多額の負債を負わされたり、必要な住民サービスが結果として切り捨てられたり、ハコモノ建設が進められたり、そういったことが二度と起きないような市政に変えていきたいと考えております。

 私は

 「便利な交野コミュニティーバス」 「市役所は移転せず耐震化」 「小中一貫校でなく小中別に整備」 「水道料金の13%値上げ凍結」 「財政健全化」

 大きく5つの公約を掲げましたので、それらを重点施策といたします。

(1)便利な交野コミュニティーバス

 4年前の交野市長選挙の前、前市長により「路線バスの維持など地域の移動手段の確保」と明記したビラが配布されました。しかしながら、その約半年後の平成31年4月17日付で、市長名にて京阪バス宛に「ゆうゆうバスの廃止」と記載した通知が出されております。その後、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言により京阪バスの利用者が半分以下になる中、また、ゆうゆうバス廃止は審議会で答申が得られなかった中、約1万もの反対署名が提出されたにもかかわらず、廃止されました。

 ゆうゆうバス廃止は、その手法があまりにも乱暴と考えておりますし、これまでの約50年間の市政を振り返っても、痛恨の極みと考えます。市長として深く反省し、今なお影響を受けている交野市民の皆様に心からお詫び申し上げます。しかしながら、今更ながら、私がお詫びをして許されるものではございません。そのため、コミュニティーバス導入等一日も早く、代わりの移動手段等の確保に市として努めて参ります。

 そのため、京阪バス等を含めて、今後の公共交通について協議をする場をまずは設けます。そして、市として、駅勢圏1000メートル、バス停勢圏300メートルの考えを今後はせずに、市民の声を受け、見直しを実施します。見直しに際しては、距離に基づく一律の見直しではなく、市民の皆様の声を聞きながらの見直しをすべきと考えます。

(2) 市役所は移転せず耐震化

 前市政においては、平成30年における財政運営基本方針で、庁舎移転の費用を約35億円であると想定し、交野市役所及び青年の家を集約化・複合化して、いきいきランドへ移転することが強行されようとしました。鉄道駅が6つもある交野市において、JR河内磐船駅、京阪河内森駅、京阪交野市駅から徒歩25分圏内という配慮に欠けた移転計画であり、一時、総額約100億円にも達しかねない事業でした。

 その後、無謀な計画は頓挫いたしましたが、今般の交野市長選挙での民意を受け、交野市役所はただちには移転しません。既に、交野市役所本館は「耐震診断報告書」で「補強を行うことにより、耐震目標値を満足する建物である」と明記されておりますし、コンクリートの中性化試験や圧縮強度のテストを実施した上で、耐震化により築約50年の交野市役所本館が今後20~30年は利用可能だと考えます。そして、交野市役所の本館の耐震工事に必要な費用を試算すると、約4億7900万円でございます。

 交野市役所本館と別館の敷地の約半分は借地ですが、借地料は年約1100万円であり、20年借りても2億2000万円、30年借りても3億3000万円です。耐震工事費用と借地料を合計しても10億円にも満たないことから、いきいきランドへの移転よりも比較優位性があると考えます。なお、仮設庁舎については、今後、耐震工事後も利用可能かどうかも含めて検討し、交野市役所別館近隣における駐車場の確保を併せて目指します。また、屋上防水工事の実施、空調設備の交換、トイレ改修、職員の職務環境改善のための机・イスの買換、レイアウト変更等を検討いたします。

 あわせて、青年の家については、長年、多くの利用者の方からエレベーターの設置の要望が事実として上がっていたにもかかわらず、公共施設の総合管理計画に基づく新庁舎との集約化を理由に、この間設置されずご迷惑をおかけしたことは深く反省しております。まずは、外付エレベーターに主眼を置いて速やかにエレベーターの設置を検討し、交野市役所の耐震工事の状況を見極めながら、青年の家を改修し、不足する駐車場の対策として、敷地の造成等の実施を検討いたします。

 今ある公共施設や庁舎全般として、出来る限り有効活用し、初期費用負担が事実上0となった公共施設や庁舎を継続利用することにより、市民の皆様の負担軽減を図り、市民の皆様とともに、将来におけるよりよい公共施設の在り方や庁舎の在り方を導き出したいと考えております。

(3) 小中一貫校でなく小中別に整備

 私は、社会教育施設と学校施設とは異なるものであることから、学校敷地内にプールを設置し、子どもたちの学校教育環境を整えることが大切であり、交野市の子どもたちがのびのびと遊べる広い運動場があるべきと考えます。市内の各小学校の敷地面積や地理的条件を考えると、現在の児童・生徒数では施設一体型小中一貫校はふさわしくないものと考えます。

 そして、住民投票の実施を求める交野市民の皆様が有権者数の10分の1以上にあたる7812人もの皆様から署名を集めました。集まった署名のうち、有効署名は7210人分にも上りました。にもかかわらず、住民投票は実施されませんでした。

 その後、戸田建設等とデザインビルドでの施設一体型小中一貫校の契約が締結されております。私は、前市長の任期が令和4年9月17日までなのですから、その任期を大幅に超過する契約を締結すべきではなかったと、今でも強く考えます。

 交野市長選挙の結果を受け、私は、令和4年9月20日、初登庁後すぐに、戸田建設の担当部長に電話で一報を入れ、現在、小中別に整備、敷地内へのプール設置、広い運動場がある、といったことを実現すべく、契約変更等、必要な協議を実施しているところでございます。なお、施設一体型小中一貫校を建設する場合、さらに、建設費が上昇する見込みであるため、総事業費はさらに高騰します。 一方で、交野みらい小学校や交野市立第一中学校区の各行政区にて説明会を開いてほしいと聞いていますので、適宜開催いたします。

 そして、免除川にかかる人道橋について、地域に「架替」と約束しながら未だ架替できていないことについては、教育委員会が地域を騙したという意見を聞いています。市長として深く反省し、騙されたと感じている地域の皆様に深くお詫び申し上げます。市長して、人道橋の再建を速やかに実施すべく取組みます。

(4) 水道料金の13%値上げ凍結

 まず、令和3年9月26日午前5時半、高区配水区域に属する私市の京阪交野線ガード下を通る内径300ミリの配水管が経年劣化で破損し、大量の漏水により緊急遮断弁が作動し、高区配水区域等の約1万軒が断水しました。

 前市長は頑なに謝罪やその責任の明確化を拒みましたが、市長として、1年前のことでございますが、ご迷惑をおかけした市民の皆様に心よりお詫び申し上げます。再発防止のため、配水管の部分も含めて管路更新を実施し、そのための一般会計からの水道会計への繰入についても、実施をいたします。

 その上で、現在も続く、物価高の中にあって、水道料金の値上げをするということはいかがなものかと考えます。逆に、物価高を考慮いたしまして、臨時交付金6000億円が都道府県や各市区町村に交付される予定であることから、水道月額基本料金2か月分を無料化するよう担当部局に指示いたしました。安心・安全な水道を当面、値上げせずに市民の皆様に提供し続けたいと考えております。

(5)財政健全化

 過去、交野市においては、大阪府下で一二を争うほど財政が悪化いたしました。その原因は、いうまでもなく、土地開発公社による不要な土地の大量購入であったと考えます。交野市民の皆様に今なお多大なご迷惑をおかけし続けていることについては、市政が変わったとしても、決して忘れてはならないことです。

 そして、購入した土地がなくなるわけでもなく、とりわけ中田仁公交野市長の時代において、多くの土地開発公社の負の遺産は整理されたものの、未だ、令和3年度末の決算で、約61億円もの土地開発公社の保有残高がございます。前市政においても、起債により、土地開発公社の土地の買戻しが行われましたが、起債の償還期間に当該土地を売却できなくなりました。そういった起債残高は、令和3年度末の決算で、約75億円に上ります。

 さらに、平成25年度に発行した第三セクター等改革推進債があと2年で償還が完了しますが、約3億円残っております。それらを合計すると、未だ、約139億円にも上ります。一方で、令和3年度の交野市決算においても、普通会計基金残高は約74億円に上っておりますが、金融機関に預けてもほとんど利子は得られませんから、土地開発公社の土地のうち、売却できる土地は、基金を活用して売却いたします。

 また、土地開発公社から買い戻した土地のうち、起債の償還が終わった土地についても売却可能であれば売却いたします。加えて、起債の償還が終わっていない土地であっても、繰上返済をすることで売却できる土地については、繰上返済して土地を売却いたします。

 庁舎、公共施設、学校、について、人口減少の社会情勢下にあっても、避難所としての利用等、地域の中の利用を考え、取壊して建替えるのではなく、今ある庁舎、公共施設、学校については、できる限り費用負担を減らしつつ、今後も転用はしたとしても、利用し続けられるようにいたします。

 財政の方向性としては、土地開発公社の負の遺産を清算し、その上で、今後の庁舎、公共施設、学校について、どうするのかを決めるべきだと考えます。私は、市民の声を聞く市政に変えること、過去の負の遺産を清算することが私の役目であると考えます。そのためにも、過去の負の遺産による財政上の制約を受けることなく、市政運営にあたることができる土台を私は作って参ります。

 そしてこのような財政健全化策を採るとなると、市長自らが身を切る覚悟を示す必要があると考えます。 議員は、国民年金、国民健康保険ですが、市長は、厚生年金、公務員共済です。報酬には10%の地域手当がつきますし、さらに、退職金約1000万円が任期毎に支給されます。このような厚遇の中、議会の皆様や市民の皆様に財政健全化を訴えるわけにも参りませんので、早速、特別職報酬等審議会を開催し、市長、副市長、教育長の月額報酬等がいくらであれば妥当であるか諮問するよう指示しました。審議会の答申に対しましては、任期中の月額報酬のカットや私の任期中の退職金を不支給とすることを約束いたします。

 以上、私の5つの重点施策について申し上げました。前市政の方向性とは大きく違うところもございますが、ご理解くださいますようお願いいたします。 あわせて、市民税減税については、令和4年の収入に係る市民税均等割部分について、一定所得制限を課しますが、減税する予定です。

 

3.チャレンジするその他の施策について

 そして、財政的制約、人的制約もある中、任期中チャレンジいたしますその他の施策として

 「交野市のまちづくり」 「交野市の出産・子育て・教育」 「交野市の高齢者及び障がい者支援」 「交野市のコロナ対策」 を説明いたします。

(1) 交野市のまちづくり

 市域の面積の約半分が山地で占められた豊かな自然がありながら、一方で都心から30分圏内の住宅都市として、これまで交野市は歩んで参りました。交野市出身の市長としては、この良さは、後世に残したいと考えます。

 星田北エリア、星田駅北エリアのまちづくりについては、結果として、星田北エリアがイトーヨーカドー系列のショッピングセンターではなく、物流倉庫ばかりになってしまったことに心を痛めておりますし、星田駅北エリアのようなJRの快速停車駅になぜ、あのような準工業地域を配置する必要性があったのか疑問に感じております。 また、枚方市域における都市計画道路の敷設について、なぜ、交野市が全額費用を負担するかについて、住民訴訟が事実として提起されております。市として、しかるべき調査をいたします。

 旧市道星田高田線については、従来南北道だけであったところ、新たにできた交通量が極めて少ない東西道が幅員が広いということで優先されました。交野市は、当時「都市計画の決定・変更の説明会が説明会だ」との主張を展開し、市民向けの説明会の開催を拒否しましたが、東西道の開通後まもなくの令和4年3月に南北道を通る自転車を運転する方が東西道を通る倉庫を利用するトラックにはねられお亡くなりになりました。長年、南北道しかなかったにもかかわらず、当時、市民向けの説明会を開かず突然、東西道が優先されたのですから、交野市の道義的責任は重大だと考えます。市長として深く反省し、お亡くなりになられた方へお悔やみ申し上げますとともに、ご遺族の皆様に深くお詫び申し上げます。

 市といたしまして、関係者の皆様に従来通り南北道を優先とすることができないか、強くお願いをいたします。 星田北の天野川沿いにて、トラック駐車場整備が進められようとしておりますが、風光明媚な天野川にトラック駐車場はにつかわしくないことから、天野川沿道の地域性も考慮した見直しをいたします。

 農空間保全として、大阪府と連携し、市街化調整区域における違法建築物に対しまして、より厳しい対応をいたします。南星台地域等の市有森林を活用・売却することで新たな農空間を整備し、交野市の農業の活性化を図ります。売却困難な市有地を活用して農業事業者や市民による利用を図ります。市街化区域内の農地のうち適正に管理されていない農地は市民農園化を促進いたします。学校給食への地場産の野菜活用についての補助制度の創設を進めますとともに、学校給食のより一層の米飯化を促進します。

 防災対策といたしまして、防災の観点も取り入れて、小中学校体育館等にLPガス方式のエアコン及び発電機を順次導入する方針を決定し、一部に導入をスタートいたします。あわせて、防災面でのLPガスの有効性を示す防災セミナーを開催いたします。

 消防について、そもそも私自身は消防の広域化には賛成の立場でございます。ただ、実際に広域化をするとなると、様々な条件、意見があるというのも百も承知でございます。この広域化の議論については、財政へのインパクトはどうなのか、今、地方交付税交付金としてもらっている額と、実際に消防費として使っている額を比べると、かなりの金額の乖離があります。そういった財政への影響を考慮しなければなりません。 そして、広域化の方式、広域連合なのか、それとも事務組合なのか。事務組合でも当然、枚方、寝屋川、両市の意向もあります。そういった意向もしっかりと聞いておかねばなりません。もし、仮にどうしても広域化が難しいとなった場合、建替等はどうするのかといった議論も併せてしなければなりません。様々な方向性について、議論をするとともに、現場で頑張る職員の皆様の意見を真摯に聞いて、広域化については検討を進めていこうと考えます。

 浸水対策として、浸水危険箇所の市街地への浸水対策を順次進めます。 防犯対策といたしまして、大阪府警察本部や交野警察署と連携し、市有地等を有効に活用した、より安全な交番の設置を目指します。今の交番を市が一定の財政負担をしても、より良い交番を実現したほうが良いと、私はそう考えております。大阪府や様々な関係者の皆様としっかりと議論をして進めていきたいと考えております。また、より画像解析度の高い防犯カメラ網の構築の検討をいたします。

 住宅施策として、住宅に困窮した市民の皆様へのセーフティーネットとして、大阪府と府営住宅の在り方について、建替等を前提とした交野市への移管に向けた検討をスタートいたします。 ごみ処理について、リサイクルと称しつつ、施設内での分別に多額の費用を要した上で再商品化事業者に引渡したらリサイクル、要はリサイクルしたかどうかではなく、施設内で分別して再商品化事業者に渡したことがリサイクル率にカウントされるという仕組みになっております。中にはサーマルリサイクルと称して一部焼却処理している実態を鑑み、4市リサイクルについては、離脱も含めて、話し合いを開始します。し尿処理については、寝屋川市分を含めた希釈放流方式でのし尿処理の開始を目指します。

 ごみ処理については、今後も適切なごみ収集行政がなされますよう給与表第二表導入を含めて検討を進めて参ります。現在のように、ほぼ最低賃金と近いような会計年度任用職員の方々を募集しようとしても、なかなか人員が見つからない、来ない、だから民営化といった安直、乱暴な議論はすべきではないと、私はそのように強く考えております。

 交野市の歴史にふさわしい都市計画公園として私部城址の公園としての整備を検討します。寺作業所跡地で前市長の市長戦略に掲げられていたにもかかわらず、整備がなされておりません。私は、6面のテニスコートを中心に整備いたします。 また、現在の私部公園のテニスコートは駐車場としての活用の検討を目指しますとともに、交野市内にボール遊びができる公園が極めて少ないことから、バスケットボールもできるボール遊びが可能な公園等の整備を目指します。これは、周りを柵等で囲み、様々なボール競技やスポーツに活用できるといった施設を念頭に置いておりますが、そういった施設の整備ができないか検討していきたいと考えております。 また、倉治公園の防球ネットを私部公園と同様に嵩上げし、テニスコートは寺作業所の跡地で6面を整備いたしますので、当該部分については駐車場とし、周辺は歩道がない地域でございますので、敷地内の歩道整備を検討して進めて参りたいと考えております。

 行政区について、地域施設等施設整備補助金を拡充して大規模改修にも一定対応いたしますとともに耐震化を促進します。 我が国憲法に定める思想・良心の自由を守るため、私は、既に交野地区募金会の会長就任を辞退するとともに、自治会費からの募金や半強制的な募金が起きないようにいたします。防犯灯のほぼ全額を交野市が負担して、自治会への入会状況にかかわらず、公平性を確保いたします。なお、市としては、今後も自治会への入会を促進いたします。

 試験的に布、アルミ、新聞紙、雑誌、雑紙といったリサイクル可能な資源回収を地域へ移管し、移管することを前提とした補助金を開始します。行政区の運営や組織について、住民の意思がよりスムーズに市に伝わるよう、一定ガイドラインを提示いたしますとともに、行政区と二人三脚で市政運営にあたります。

 シティープロモーションについて、マーケティング課を新設して人材を公募し、交野市のブランディングを確立するとともに対外と対内の広報を一元化します。また、対外的な広報力をアップするために、記者クラブとの関係を密にするとともに、Facebook、Twitterをすみやかに導入し、Instagramは画像の制約があるため、導入を検討します。 ふるさと納税の赤字の削減を図るために、ふるさと納税の赤字解消の担当セクションとITの担当セクションをひとつにします。 商業・工業・観光について、ほしの里いわふねの管理者とともに 隣接施設や大阪府、大阪市と連携した観光活性化策を実施いたします。あわせて、地域振興課の中から、商業・工業・観光の機能分離を図りたいと考えます。

(2) 交野市の出産・子育て・教育

 交野市にお住まいの方が安心して出産・子育て・教育できる環境を目指します。特定不妊治療は本年度より保険適用されていますが、上乗せや拡充を検討します。妊娠中の方の外出支援制度は、タクシーの500円券14枚、を拡充します。産前産後サポート事業として、家事代行を含めたサービスを充実してパッケージ化を図ります。

 ため池を埋立てた第二中学校南側敷地について、私の着任前に開智幼稚園の建替のための仮園舎の建設が進められようとしております。そもそも、くらやま幼児園の移転と称しながらも、当該予算が計上されず、財政運営基本方針にも規定されておりません。ため池埋立を含めて市として調査いたしますとともに、今後、くらやま幼児園をどうするかの検討を行います。

 国にて小学校35人以下学級が進められており、すでに交野市は35人以下学級を実施済みであり、財政的な負担が和らぐことから、中学校35人以下学級の実現を目指します。市としては、教員の負担の軽減や子どもたちの教育環境の改善のために、さらなる少人数学級を目指します。

 放課後児童会については、安定的な人材確保が難しい等の理由により、民間委託の検討がなされておりますが、指導員不足の真の原因を特定し、処遇改善が必要な場合は積極的に改善をしたいと考えているため、一旦、民間委託の方向性について、所管部に対して見直しをかけた次第でございます。

 給食費について、臨時交付金や一般財源等を活用し、財政状況を考慮の上、段階的にではありますが、無償化に着手いたします。 各小中学校のトイレ等の改修を進めます。 みらい小学校区だけでなく、各小学校区への公費での通学路の見守りを実施いたします。

(3) 交野市の高齢者及び障がい者支援

 健康づくりのため、一部、ワンコインがん検診事業等を開始いたします。介護予防事業は拡充を図ります。加齢性難聴者の補聴器購入を補助する事業をスタートします。 駐輪場管理を長年シルバー人材センターに委託しておりましたが、今年4月にそれをやめ、結果、多くの高齢者の雇用の場・生きがいの場が失われたことについて、市長として、深くお詫び申し上げます。今後、シルバー人材センターの皆様の活躍の場を市として拡充すべく取組みます。

 交野市内で3つしかない公立の幼児園を民営化により2つにしたことについては、障がい児保育についての不安の声を聞いております。つきましては、施設整備も含めまして、その対策の検討を進めて参ります。 こどもゆうゆうセンターで、単独通園が現在は不可でございますが、可とする環境の整備や通園時間延長についても検討を進めて参ります。

(4) 交野市のコロナ対策

 ワクチン接種は、努力義務が課されているとはいえ、ワクチン接種が義務化されているわけではありません。そのため、ワクチン接種に際しては個人の自由意志を最大限尊重いたします。

 一方で、ワクチン接種を希望される方が速やかにワクチン接種できる環境整備も重要です。そのため、大阪府下トップレベルの迅速なワクチン接種体制を確立いたしますとともに、広報かたのやSNSの活用に加え、都度のビラの配布により、情報の周知に努めます。

 なお、子どものワクチン接種については、効果と適切な情報開示をするとともに、希望する方への接種券の郵送を実施すべきと考えます。そうした中、子どものワクチン接種で、市長就任直前に、3回目の子どものワクチン接種のための接種券が郵送されたことについては、非常に残念に考えますとともに、不快に感じた市民の皆様に心より、お詫び申し上げます。

 感染症対策として、国に加えて市としての PCR検査場ないしは抗原検査場の確保を目指します。交野市の保健師を増員すべく、早速、総務部人事課に対して指示をいたしました。保健所への人員派遣や自宅療養者支援等を柔軟に対応して参ります。

 

4.結び

 以上、「便利な交野コミュニティーバス」「市役所は移転せず耐震化」、「小中一貫校でなく小中別に整備」、「水道料金の13%値上げ凍結」、「財政健全化」大きく5つの公約、その他の施策としての「交野市のまちづくり」、「交野市の出産・子育て・教育」、「交野市の高齢者及び障がい者支援」、「交野市のコロナ対策」について縷々申しまして、議会開会にあたっての私の所信表明といたします。

 これまでの方向性と異なるところがあり、様々な議論はあろうかと思いますが、皆様と議論し、交野市民の皆様にとって、より、すごしやすい交野市を目指して参りますので、ご協力賜りますようお願い申し上げます。

 最後ではございますが、今議会に審議をお願いいたします案件は、市財政の健全化判断比率の報告が1件、上下水道事業会計の資金不足比率の報告が2件、和解及び損害賠償の額の決定に関する専決処分事項報告が2件、固定資産評価審査委員会委員の選任に関する人事案件が1件、令和3年度一般会計等の決算認定が7件、専決処分を含む条例の制定及び一部改正に関する議案が7件、下水道事業会計の利益積立金の目的外使用に関する議案が1件、下水道事業会計の未処分利益剰余金の処分に関する議案が1件、補正予算に関する議案が2件、以上、24件でございます。 詳細につきましては議案ごとに改めて担当部長から説明いたしますので、慎重審議くださり、ご賛同くださいますようお願い申し上げます。

 以上、所信表明と議会開会にあたりましての挨拶といたします。 長々とした話となりましたが、ご容赦、ご理解を賜りまして、二元代表制の一角を担う議会議員の皆様と切磋琢磨して、より良い交野市を実現すべく努力して参る所存でございます。是非とも皆様からの様々なご意見をお待ちしております。どうか、この4年間よろしくお願いいたします。