○交野市救助業務運用規程
平成26年5月23日
消防規程第1号
(目的)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第36条の2の規定に基づくほか、救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令(昭和61年自治省令第22号。以下「省令」という。)及び救助活動に関する基準(昭和62年消防庁告示第3号。)に基づき、救助隊に必要な事項を定めることを目的とする。
(1) 救助業務とは、救助活動を遂行するにあたり、救助資料の収集、検討、統計、及び救助技術の研究開発、救助訓練、救助技術の指導並びにこれらに類する業務をいう。
(2) 救助活動とは、災害等により生命又は身体に危険が及んでおり、かつ、自らその危険を排除することができない者(以下「要救助者」という。)について、その危険を排除し、又は安全な状態に救出することにより、法の規定による人命の救助を行うことをいう。
(3) 救助隊 法36条の2の規定に基づき、省令の規定により配置される隊をいう。
(救助隊の編成)
第3条 救助隊は、救助工作車を配備し、救助隊員(以下「隊員」という。)5人以上をもって編成するよう努めるものとする。
2 隊員のうち1人を救助隊長(以下「隊長」という。)とする。
3 隊長は消防士長以上の階級にある者とする。
(救助隊の配置)
第4条 救助隊は署に設置する。
(隊員の資格)
第5条 隊員は次の各号のいずれかに該当する消防職員をもって充てるものとする。
(1) 消防大学校における救助科又は消防学校の教育訓練の基準(昭和45年消防庁告示第1号)に規定する消防学校における救助科を修了した者
(2) 救助活動に関し、前号に掲げる者と同等以上の知識及び技術を有するものとして消防長が認めた者
(任務)
第6条 救助隊は、人命救出及び救助活動を主たる任務とし、必要に応じ、その他の消防活動を行うものとする。
2 隊長は上司の命を受け、隊員を指揮監督し、救助業務を円滑に遂行しなければならない。
3 隊員は、隊長の指揮監督に従い相互に連携し業務に従事する。
(服装)
第7条 隊員は、消防吏員服制基準(昭和42年消防庁告示第1号)に定められた救助服等を着用する。
2 救助隊保有の資機材は別に定める点検要領に基づき、点検を実施し、機能の保持に努めなければならない。
(隊員の教育及び訓練)
第9条 消防署長(以下「署長」という。)は、隊員に対して救助活動を行うために必要な知識及び技術を習得させるとともに、隊員の救出救助技術の向上及び体力の向上を図るため、教育及び訓練を実施するよう努めなければならない。この場合において、署長は、隊員の安全管理に十分配慮しなければならない。
2 隊員の教育は、署内教育のほか必要がある場合は、他の訓練機関にこれを委託し、実施することができる。
3 隊員は、平素から救助活動を行うために必要な知識及び技術並びに体力の向上を図り、いかなる災害にも対応できる臨機の判断力及び行動力を養うよう努めなければならない。
4 救助隊の訓練実施種別を次のとおりとする
(1) 日常訓練 当務による訓練
(2) 合同訓練 警備1課、2課救助係合同訓練
(3) 特別訓練 消防救助技術指導会等に伴う特別訓練
(安全管理)
第10条 署長は、交野市消防職員安全衛生管理規程(昭和63年消防規程第1号)の定めるところにより、常に安全の確保と危害防止の普及に努めなければならない。
2 署長は、救助活動及び訓練、演習時における危険回避のための安全教育を実施し、隊員の安全確保に努めなければならない。
(出動)
第11条 署長は、災害が発生した旨の通報を受けた場合又は災害が発生したことを知った場合において、救助活動の必要があると認めるときは、当該災害の発生場所、救助を要する者の数及び状態等を確かめ、直ちに救助隊を出動させなければならない。
(出動区域)
第12条 救助隊の出動区域は、交野市内とする。ただし、管外等で発生した災害に対しては、消防相互応援協定等に基づき出動する。
2 消防長が特に必要と認めるときは、前項に定める協定等に基づかない場合であっても出動させることができる。
(救助活動の原則)
第13条 救助活動は、要救助者の状況判断を的確にするとともに、各隊相互の連携を密にし、状況に応じた臨機応変かつ安全な方法で迅速に行動し、救助効果をあげることを原則とする。
2 救助活動は、要救助者の安全確保を主眼とし、次の各号によるものとする。
(1) 他の警防活動に優先して行うこと。
(2) 災害の特殊性、危険性及び事故内容等を判断し、安全、確実かつ迅速に行うこと。
(3) 救助を要する者が多数の場合は、危険の大きいものから救助すること。
(4) 複合した障害がある場合は、緊急性の高いものから排除すること。
(5) 隊員相互の連携を密にし、単独で行動しないこと。
(6) 隊員は、任務分担を遵守し、救助技術を効率的に発揮すること。
(7) 進入して救助する場合は、適切な救助経路を選定するとともに、必ず退路を確保すること。
(8) 前各号に定めるもののほか、救助活動に関し必要な事項。
(救助活動)
第14条 署長は、災害の状況を的確に把握し、当該災害の状況に応じた救助活動の実施に関する態勢を決定し、当該態勢のもと救助隊(消防隊又は救急隊が出動した場合においては、これらの隊を含む。)を指揮監督するとともに、救助活動に係る環境の安全確保に努め、必要と認めるときは、他の市町村等の応援を求めるための措置を講じなければならない。
2 隊長は、救助隊の隊務を的確に判断し、隊員を指揮監督するとともに、危険が予測される場合には、隊員の安全管理を図るため、必要な措置を講じなければならない。
3 隊員は、習得した知識及び技術を発揮するとともに、救助器具を有効に活用して救助活動を行わなければならない。この場合において、自らの安全を確保するとともに、相互に安全に配慮し合い、危険防止に努めなければならない。
(指揮命令の原則)
第15条 指揮命令は、次の各号によるものとする。
(1) 救助活動は、原則としてすべて隊長の指揮に従うものとする。
(2) 隊長は、常に自隊を指揮するとともに、変化に即応した態勢がとれるように努めなければならない。
(3) 救助活動時において応援隊等が編成された場合は、前2号の規定にかかわらず、当該現場最高指揮者の指揮を受けるものとする。
(隊長の職務)
第16条 隊長の職務は、次の各号によるものとする。
(1) 要救助者の救出救助活動に関すること。
(2) 隊員の安全に関すること。
(3) 現場情報及び広報活動に関すること。
(4) 他隊との連携活動に関すること。
(5) 出場・到着・現場状況・要救助者の有無、救助活動の状況、その他別に定める情報を活動中に入手したときは、その都度現場最高責任者、指令室へ報告するものとする。
(6) その他救助活動上必要なこと。
(他隊との連携)
第17条 救助隊は、救助活動を行うに当たっては、消防隊又は救急隊との緊密な連携のもとに活動するものとする。
(関係機関等の出動要請)
第18条 隊長は、救助現場において、警察官等関係機関の立会及び協議等が必要であると判断した場合は、通信指令室に関係機関の出動要請の連絡をするものとする。
(活動の記録及び報告)
第19条 救助業務の活動の記録及び報告等は、この規程に定めるもののほか、交野市消防救助隊訓練実施要領及び火災・災害等報告要領に基づき、消防長又は署長に報告するものとする。
(救助事故即報)
第20条 消防長又は署長は、救助事案が特異であると認める場合及び次の各号のいずれかに該当する場合は、直ちに、総務省消防庁防災情報室及び大阪府政策企画部危機管理室に報告しなければならない。
(1) 要救助者が5人以上の救助事故
(2) 覚知から救助完了までの所要時間が5時間以上を要した救助事故
(3) その他報道機関に取り上げられる等社会的影響度が高い救助事故
(検討会)
第21条 署長は、救助活動において特異な事象及び今後の活動に役立てるために、救助事故の原因を解明し事故の再発防止を図るための検討会を開催しなければならない。
(細則)
第22条 この規程に定めるもののほか必要な事項は、消防長が定める。
附則
この規程は、平成26年5月23日から施行する。
別表第1
分類 | 品名 |
一般救助用器具 | かぎ付はしご 三連はしご 金属製折りたたみはしご又はワイヤはしご 空気式救助マット 救命索発射銃 サバイバースリング又は救助用縛帯 平担架 ロープ カラビナ 滑車 |
重量物排除用器具 | 油圧ジャッキ 油圧スプレッダー 可搬ウィンチ ワイヤロープ マンホール救助器具 救助用簡易起重機※ |
切断用器具 | 油圧切断機 エンジンカッター ガス溶断器 チェーンソー 鉄線カッター |
破壊用器具 | 万能斧 ハンマー 携帯用コンクリート破壊器具 |
検知・測定用器具 | 生物剤検知器※※※ 化学剤検知器※※※ 可燃性ガス測定器 有毒ガス測定器※※ 酸素濃度測定器※※ 放射線測定器※※ |
呼吸保護用器具 | 空気呼吸器(予備ボンベを含む。) 空気補充用ボンベ※ |
隊員保護用器具 | 革手袋 耐電手袋 安全帯 防塵メガネ 携帯警報器 防毒マスク 化学防護服(陽圧式化学防護服を除く。)※※ 陽圧式化学防護服※※ 耐熱服※ 放射線防護服(個人用線量計を含む。)※※ |
検索用器具 | 簡易画像探索機※※ |
除染用器具 | 除染シャワー※※ 除染剤散布器※※ |
水難救助用器具※ | 潜水器具一式 流水救助器具一式 救命胴衣 水中投光器 救命浮環 浮標 救命ボート 船外機 |
山岳救助用器具※ | 登山器具一式 バスケット担架 |
その他の救助用器具 | 投光器一式 携帯投光器 携帯拡声器 携帯無線機 応急処置用セット 車両移動器具※ その他の携帯救助工具 |
備考 一 ※印のものは、地域の実情に応じて備えるものとする。 二 ※※印のものは、特別救助隊、高度救助隊及び特別高度救助隊を除く救助隊については、地域の実情に応じて備えるものとする。 三 ※※※印のものは、特別高度救助隊を除く救助隊については、地域の実情に応じて備えるものとする。 四 表中の救助器具については、はん用器具によることができ、また、同種の機能を有する器具により代替することができるものとする。 |
別表第2
分類 | 品名 |
重量物排除用器具 | マット型空気ジャッキ一式 大型油圧スプレッダー 救助用支柱器具※ チェーンブロック※ |
切断用器具 | 空気鋸 大型油圧切断機 空気切断機 コンクリート・鉄筋切断用チェーンソー※ |
破壊用器具 | 削岩機 ハンマドリル |
呼吸保護用器具 | 酸素呼吸器(予備ボンベを含む。) 簡易呼吸器 防塵マスク 送排風機 エアラインマスク※ |
隊員保護用器具 | 耐電衣 耐電ズボン 耐電長靴 特殊ヘルメット※ |
その他の救助用器具 | 緩降機 ロープ登降機 救助用降下機※ 発電機 |
備考 一 ※印のものは、地域の実情に応じて備えるものとする。 二 表中の救助器具については、はん用器具によることができ、また、同種の機能を有する器具により代替することができるものとする。 |